司法試験予備試験の合格にテキスト・基本書はいらない?
難関資格である司法試験や予備試験に合格するには、テキストや基本書の通読は必須というか、一般的です。
特に法科大学院制度ができてからは、「LEGAL QUESTシリーズ(会社法とか刑事訴訟法)」など、わかりやすい基本書もあります。
テキストを読まずに短期合格の例も
そんな司法試験において、テキストをメインとせず、しかも1,000時間という短期間で司法試験に合格された方がいます。
それは元早稲田セミナー司法試験講座(現在のWセミナー司法試験講座)の講師も務められ、現在は企業法務を中心とする弁護士として活躍する福田大助です。
ここからは福田大助先生の著作からの引用です。
教科書・基本書について
まず最初は、テキストや基本書の通読についてです。
(中略)いわゆる基本書とか参考書とかいわれるものの扱いだが、これは一切読まなくてよい。かなり大胆な提言であるが、私はそれを実践してすべてに合格してきたのだから信じて欲しい。 (「難関資格 合格したけりゃ、本は読むな!社会人こそ、最短時間で一発突破できる」、73ページ)
と話しています。福田氏は過去問中心主義者であり、参考書の類は読まなくて良い、と主張しています。
テキストを読まないで、問題が解けるの?
しかし、過去問中心主義にせよ、テキストや教科書を読まなくては問題は解けません。これに対し、福田先生は、
最初に薄くて構わないから、それぞれの教科ごとに入門書といわれるものを読んでおく。それからすぐに過去問へと進んでもらいたい。入門書を読む理由は全体をおぼろげながらでもいいから把握するため。やはり全体像はつかんでおいたほうがいいからだ。 (同74ページ)
なるほど、これなら過去問も何とか解けそうです。さらに福田先生は、
また基本書、参考書は各教科、1冊でOK。その結果、私が導き出した結論は、試験に良く出る問題は基本書、教科書の全体の二~三割。残りの七~八割はほとんど出ない。だからこそ基本書、教科書は読まなくていいといっているのだ。(同74ページ)
福田大助先生はこの方法で実際に、東京大学・国家一種・司法試験に合格しています。
したがって、演習を中心とした今回の学習方法はかなり理に合った方法といるでしょう。
[wpap service=”rakuten-books” type=”detail” id=”9784766710458″ title=”難関資格合格したけりゃ、本は読むな!”]
網羅性も大事。結局はバランス感覚
その一方で、過去問の学習だけでは「網羅性」に欠けます。つまり来年度は過去問にはない出題があるかもしれません(法改正や新判例など)。
したがって「問題演習中心の学習」と「テキストを通じた網羅性」のバランス感覚が重要だと思います。
インプットとアウトプットのバランスの良い学習とも言い換えられるでしょう。